北欧家具店
かつて家具を調達するときは、手作りの我楽舎とか米軍放出品を扱う輸入家具の横山家具店などを見たものだ。最近の若者は行くところが少し違う。
先週引っ越しをした長男が、IKEAで買い物をしたいというので、昨日は台風の中一緒に買い物に出かけた。この店の名前は昔からスウェーデンの白木の家具で、デザインがシンプルなものというイメージがあった。値段は高くは無いが無垢の白木を使うのでそれほど安くは無い、という程度との認識だった。
が、行ってみて驚いた。場所は横浜、港北のお店だった。店舗が大きいことにまず驚き、イメージした白木の家具はどこにあるのかよく分からない。たしかに、白木を一部使用した家具類もあるものの、圧倒的に普通の家具類が大きなショウルームにこれでもか、これでもかと並んでいる。家の中で必要となるものは、家具ばかりでなく小物から絨毯、食器まで全てそろってしまう。
前より少し広いマンションに引っ越した息子たちは、何が欲しいのだろうと思ったら、部屋が増えたので照明器具とか、ソファの前に置くローテーブルとか、IHの台所で使う鍋釜類などなど。なんでもそろってしまう。
自分もついでに、書斎で使う椅子を見てみた。今の椅子は次男のお下がりで、もう少しハイバックな背もたれと、座り心地のいい椅子がいいと思っていた。ちょうど片方の肘掛のネジが外れて壊れたので新調しようとしていた。北欧家具店には、そのようなものは無いだろうと思っていたらあるある。白木と言うわけにはいかないが、リクエストにぴったりのものがあったので、つい買ってしまった。
全体に値段が安い。引っ越し祝いに何かプレゼントしてやろうかと思っていたが、必要な物をこの店で次々調達しているようなので、この支払い分を引き受けてやることにした。想定金額をはるかに下回ってこちらも助かった。
最近この種の店が結構できているらしい。家具を中心としたホームセンターの大規模版のようなもので、白木の北欧家具で名を成した店とは思えなかった。ブランドとして定着すると、何を売っても売れるということかもしれない。しかも、最近の経済情勢ではリーズナブルな値段にしておかないと売れない。低価格のための企業努力もスゴイ。売っているものは、北欧の会社なのに製造場所は、世界の工場中国というのが多かった。
椅子のほか、目覚まし時計を買ったら、分厚い説明書がついている。そんなに取り扱いが難しいのかと思ったら、29ヶ国語で同じことが書いてあった。そんなに世界中で売っているのかあ。
ブランドは売れるようになると何でも作るというのは、他でも気づく。アメリカのコーチは元々革製品が丈夫で、やや安く手に入るというブランドだったが、今や‘CO’というロゴの布バックが流行。ヨーロッパのブランド店と並んでいたりする。
話を戻すと、大量に安いものを並べているのはいいが、作り過ぎということは無いだろうか。食が充分に行き渡らない地域があるなかで、無駄なことをしていないかどうかが心配だ。