天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

梅蘭芳(メイランファン)

 久々に現代中国映画上映会に行くことができた。今月の映画は「花の生涯」で、梅蘭芳の物語。実話であるとのコメントが入っていた。2008年の作品。約2年前、中国の本屋では彼のことを書いた本が色々売られていて、1冊買って帰った。写真のたくさん入った本なので、今日映画を見て帰って見てみると、映画の俳優はなかなか似ていた。
 彼は、日中戦争をはさんで活躍していた著名な京劇俳優だ。本によると1894年生まれらしい。今日の映画で分かったことは、彼には邱如白という兄弟の契りをした支援者がいたことだ。邱氏の影響で、梅は旧態依然とした京劇を新しいものにしていった。このことで、恩師である十三燕という役者とぎくしゃくする。
 梅は、日本でいえば歌舞伎役者の女形であり、女性より女っぽいと言われた。が、男なので結婚もし、子供もいる。今日の映画によると、梅蘭芳の奥さんは美人だけど強い。しっかり梅を管理している。しかしとても理解して愛している様子だ。
 映画の中の時間の経過の中で、日中戦争で日本軍が北京や上海に進軍している様があった。南京侵略の時期に、これを祝して梅蘭芳を舞台に立たせようとするが、抵抗する様が描かれていた。当時の心ある芸術家たちは、その芸を戦争鼓舞に使われることを拒んだのだ。日本の芸人たちは、洗脳され、あるいは強制的に戦争に使われた。
 今日の俳優の中で、梅の若いころを演じた役者は、テレビでやっている「蒼穹の昴」の京劇俳優であり、西太后のお気に入りの宦官役を演じている人だった。もう一人、この番組でずるい悪役を演じているじいさんが、映画でもずるい役をやっていたのが面白かった。
 全体を通して、超有名な京劇俳優は、純な恋もする弱い一人の人間であったということが描かれており、かつ芯の強さを持ち合わせていたということだ。余裕ができたら、中国語の「非常梅蘭芳」という本読みに挑戦しよう。