天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

アメリカのこと

 日本ではアメリカ合衆国のことを「米国」と書き、中国語では「美国」と書く。これは中国人がアメリカを美しい国と思っていて、日本人はアメリカに米が沢山あるとでも思っているのか、というとそうではない。ベイコクとメイグオ。どちらもアメリカという英語の発音に近い発音の文字を当てただけ。ベイとメイ。同じ音でも聞く側の耳により違ってくるものだと思う。犬のなき声や、鶏の鳴き声なども元は同じなのに国により言い方が違う。
 そのアメリカ。米国経済は凋落の一途をたどっているかのように見えている。オバマ大統領はノーベル平和賞をもらったが、その人気はかげり始めている。ウォール街によって作られた大統領を演じているという説もあるし。
 目下のところはそのような状況であるが、近代史におけるアメリカの位置づけは大きい。帝国主義時代、列強の動きにはついてゆく国力が無かったが、太平洋戦争により日本の暴走にストップをかけて以来、一気に世界のリーダーになった。経済の面でもけん引役を担ってきた。技術的にも自動車やコンピュータで当初はトップを走った。
 そういうことは、時代の変遷と共に色あせた。しかし、もっと長期的視点に立つと、これから世界がまだ克服してゆかねばならない問題において、一つのエポックメイキングなことがある。その問題というのは「人権」「人種差別」ということ。
 アメリカは奴隷解放をめぐって市民戦争(南北戦争)が戦われ、リンカーン北軍勢力が勝利し、現在のアメリカの基礎ができたと言える。即ち、アメリカ合衆国という国は、人権を基本的に尊重する立場で成立している国なのだ。その過程では元々ヨーロッパ人が、アメリカ大陸の先住民族を追いやりながら作り上げた国ではあるが、奴隷制度を廃止して平等な社会を作ろうという主張をベースに置いた国となった。現実は色々問題があることは事実だが、すくなくとも多民族国家として、異なる民族が共生・共存してゆこうとする国であることは間違いない。そうしなくては成り立たない国ともいえる。
 そもそも奴隷といのは、アメリカに始まったことではない。ヨーロッパの歴史においても、戦いに負けた国の民は奴隷として扱われたし、中国の長い歴史の中でも負けたものは、勝者の奴隷となった。破産した者は、金持ちの奴隷となることがついこの前の時代まであったのだ。宦官などというのも、肉体的な制約を施して権力者に仕えるわけで、奴隷の極限みたいなものだ。
 アメリカの奴隷解放は、人権尊重につながる。アメリカは人権問題を理由に他国を干渉することまで行なうようになった。人権尊重は正しいが、それを経済的、政治的行動のエクスキューズに使っているところが、他国の反発を買うところだ。特に中国などの。
 しばらく、米中関係から目が離せない。