天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

天津丼VS中華丼

 中国の天津に仕事で行ったとき、天津丼を出す店は日本料理店だけであった。つまり天津丼というのは中華料理のメニューではないのだ。蟹玉あんかけがご飯に乗っているものが、どうして天津丼と呼ばれているのか。考察してみる。
 そもそも、天津甘栗というものもあやしい。天津は中国の北の港で、北京からの海の出口という地理的位置にある。ということあって、中国から渡来するものは皆、出荷される港の名前をとって「天津ナントカ」と呼ばれた。なので天津甘栗と言っても、必ずしも天津産の栗でない。出荷された場所にちなんでいるので、食品偽装にも当たらない。
 この流れで、中華料理を乗っけた丼ものが天津丼と呼ばれても不思議ではない。中華料理の中でも、蟹と卵を美味しく味つけたものが日本では珍しくもあったし、選ばれてこれを丼飯に載せて天津丼と呼ばれた。
 では、中華丼の立場はどうなる。ご飯の上に肉野菜の旨煮のようなものをかけた食べ物。これがどうして中華丼と呼ばれるのか。推察するに、中国の庶民が昼飯を食べるような場所では、おかずを選んでお皿のご飯の横にのっけてもらうパターンが多い。おかずは何種類か選ぶのだが、ご飯にかかるようにゴチャッとのせると、まさに我々が日本で食べるような中華丼の様相を呈する。勿論、これは中国では中華丼などと呼ばれてはいない。が、我々から見るとまさに中国庶民の飯であり中華丼と呼ぶにふさわしい。
 乗っけてあるのが、たまたま蟹玉の場合には天津丼と呼ばれ、肉野菜料理は中華丼と呼ばれているが、こうしてみると命名の発想は似たようなものではないか。ただ、あのふんわりとした蟹玉の方が庶民的な肉野菜よりも多少高級感があり、北の港天津の名を冠るのがふさわしいかもしれない。自分は、庶民派だが日本で食べる中華丼の味は、中国の食堂の昼飯とは違う。あちらに軍配。
 それにしても、北京の空気は汚れていて肺がんの発生率が高くなっているらしい。南の方は少しはいいのだろうか。
http://www.youtube.com/watch?v=3avyu39XBA0&list=RD9I5inHBJ2Zo