天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「原発ゼロの日」から創る未来−第6回八王子市民講座

 今日の夜11時をもって、現在日本にある原発が全て停止する。再稼働をするかどうかは、今後の成り行き次第だ。「成り行き」の中には、反対運動も含まれるだろう。
 ちょうどこういう日に、第6回八王子市民講座で「原発ゼロの日」から創る未来と題して、飯田哲也氏の講演があった。スクリーンに「0」が映っているのが分かるだろうか。
 この市民活動が始まってちょうど1年。最初の学習会は、2011年5月5日に崎山比早子さんをお迎えして、「放射能から子供たちを守るために」という話を聞いた。1年前のこのブログに書いているはず。
 今日の話は、日本の原発行政がいかに無責任なものかということと。昨年の3.11の事故以来でもその体制に改善が見られないという話から始まり、良識あるヨーロッパの国での原発廃止に向けた取り組みの紹介。そして、日本でも原発ゼロを実現するための道筋を示してくれていた。
 まず1点目は、福島原発の事故が起きて1年以上経過した現在でも、事故調査レポートというのが発表されていないという事実。そして、事故当時「原発ゼロでも安定供給は保証します」という頼もしい発言をしていた枝野大臣が、つい最近は「原発を動かさないと電気が不足するので、計画停電をまた行わなくてはならなくなる」などと発言している由。同じ人間がこのように豹変する理由は、裏に何があるのか。
 2点目の欧州の取り組み状況は、デンマークの事例を中心に紹介された。欧州でも、フランス、イギリスは原発依存の政策だが、デンマークの他、ドイツ、スイス、イタリア、スペインなどはチェルノブイリ以降に、明らかに政策転換をして自然エネルギーの推進を行っているとのこと。
 さて、最後の自然エネルギーの実用化に向けての展望の話が実は最も重要だ。自然エネルギーの代表選手は太陽光発電風力発電だ。どれも実用化する装置に一定の費用がかかる。しかし、実際に太陽から地球に降り注いでいるエネルギーの量は、地球上で必要とされるエネルギー量の10,000倍もあるとのこと。これを使わない手はない。
 デンマークでの事例では、発電装置の設置場所がいかに計画的に分散されて作られてきたかを示されている。即ち、小規模でいいから必要なところに発電装置を装備してゆくというもの。原発装置のような重厚長大なものはいらない。
 そして自然エネルギー推進のカギは、各地域での取り組みが大切だ。今日の講演の趣旨は、電力行政を無責任な政府任せにしておかないで、自分たちで取り組みを始めようという呼びかけだ。世界に目を向ければ、ちゃんとまともな取り組みをしている国々もある。
「世界とつながり、地域から変革する」というのが今日の結びのメッセージだった。