天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

富士山盛り

 5月3日は憲法記念日と言うことで日本は国民の休日。私は中国の清明節から約1カ月遅れて墓参りに行った。両親の墓は信州戸隠にあるので、いつも墓参りのついでに蕎麦を食べるのが恒例になっている。
 食するのは近年はこすげ亭の富士山盛りというやつだ。
これがその富士山盛り。蕎麦が富士山のように大盛りになっており、雪の代わりにきざみ海苔がかかっている。小菅亭というのは、善光寺の脇にある由緒ある信州そばの老舗だ。それが庶民のスーパーに入って、自動販売機で食券を求めるようになっている。食券にはちゃんと富士山と書いてある。これで500円。こんなにたくさん、途中で飽きてしまうかと思うとそんなことはない。正しいざるそばの食べ方に従って食べれば、充実したひと時を蕎麦と過ごせる。ざるそばには、そばつゆの入ったチョコとは別に、わさびときざんだネギが付いてくる。事情を知らない人は、このわさびととネギを、まず蕎麦つゆにいきなり放り込んでかき混ぜる。そして蕎麦をじゃぶじゃぶつけて食べる。これは正しい食べ方ではない。
 正しくは、まず蕎麦を一本何もつけずに口に含んで、ゆで具合を確認しながら蕎麦の香りを楽しむ。それから、海苔のついていないそばだけを、わさびもネギもないつゆに少々つけて食べる。そばの食感と香り、それにつゆのおだしの味を楽しむ。
 これに納得したら、蕎麦の上にきざんだネギを乗せて少々つゆに浸して食べる。やさしい蕎麦の香りに加えて、ネギの香りが鼻にスッと抜ける。このネギを少々乗せるだけで、また趣の異なった蕎麦の味を楽しむことができる。ネギの香りと蕎麦のコンビネーションを味わった後は。いよいよわさびだ。これも、つゆに放り込んでかき混ぜてはいけない。蕎麦に少々塗るように乗せ、そしてやはり少々つゆに浸して食べるのだ。わさびの香りと鼻にツンとくる刺激。これと蕎麦の香りと歯ごたえが何とも言えない。
 この富士山盛りのように、ざるの上にこれでもかと乗っていると、これら蕎麦の味わいの各段階を十二分に楽しみながら食べ進むことができる。このぜいたくは信州ならではの味わいだ。値段も気にならないスーパーのこすげ亭ならではの楽しみ。
 その後に、あわただしく墓参りを済ませた次第。