この本は、umryuyanagi104さんのお薦めだった。ところが私はタイトルだけでネット注文して別の本を読んが経緯があった。
http://d.hatena.ne.jp/mm3493/20170722#1500691532
これはこれでよかったのだが、内村鑑三氏の本をやまなくちゃと、先日本屋で買い求めたもの。本屋の書棚には2種類の「代表的日本人」があり、じっくり比べる時間も無かったので、安くて読みやすそうな方を求めた。それがこれ。
読み始めたらすぐに、これは内村鑑三氏の著作そのものではなく、これを開設したものということが分かった。しかしはじめにこれを読んで大正解。著者は若松英輔という仏文学者。
内村鑑三の「代表的日本人」は元々英文で書かれていて、それを邦訳したものが日本で出版されている。これを読むのが本筋だろうが、この解説書は極めて優れモノだった。原作には、本の帯にもあるように、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人のことを書いてある。らしい。
こちらの解説書は、どうしてこれらの人物が述べられているのか、内村鑑三氏の生きざまと照らしての説明なので非常にわかりやすい。単なる本の紹介だけでなく、内村鑑三氏の人となりを紹介することが主眼のようで、加えて今の時代や我々自身の生きざまを省みることが示唆されているように見える。
最終章の方で関連する本が何冊も、簡潔な説明とともに列挙されている。全部で26冊もある。全ては無理にしても順に読んでみたい。その前に本体の、鈴木範久訳の代表的日本人で、今回紹介された内容の確認かな?
こちらの本は、「NHKの100分de名著」という番組のテキストの焼き直しらしいが、この並びの本も、このように分かりやすい解説だとすると他も読んでみたい。特に難しそうで敬遠しがちなニーチェのツァラツストラ、アランの幸福論、パスカルのパンセなどはいいかもしれない。
NHKと言えば政府の報道機関のように言われて昨今の評判はイマイチだが、いい仕事している人たちもいるのだなあと思った。
最後に、本書の著者の若松氏が書くことの大切さを強調されていることに共感して、滞りがちのブログや記事など気持ちを込めて書くようにしたいと改めて思う次第。