天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

衣食住

 仕事をしないでいて、衣食住に困らないでいられるのはありがたい。一方でワーキングプアという言葉ができて久しい。
 日本は、頑張った人が報われて、怠け者がビンボー人という観念がある。日本でなくともそうだろうという人がいるかもしれない。いずれにしても、それは条件の整った一般家庭に生まれ育った場合にいえることだ。生まれ落ちた場所によって生き方の選択肢が限られてしまうか、選択の余地がないというケースがまだまだ多い。
 アジアの貧民窟や、中東の戦場にされてしまった地域に生まれた子供は何を頑張ってもどうにもならずに命すら失っていく。
 成熟した社会でも、貧困の問題が発生する。貧富の差がいわばラッキー、アンラッキーで決まるような社会は尋常ではない。日本のように。
 中国では、確かに都市部ではすごい勢いで発展している部分があり、ITの活用も目を見張る。しかし農村の貧困の問題は依然として残っている。同じ中国でも、広い中国のどこに生まれたかでエライ違いがある。農民と一口に言ってもこれまた中国は広い。農業でやっていけるところはいいが、ちゃんと売れる作物が取れる場所でなくては農業も成り立たない。
 歴史的な経緯で、不毛な場所に住まざるを得ない人たちがいる。その土地ではどうにもならない場合に「扶貧移民」政策というのが実施されているらしい。
 村ごとそっくりましな地域に引っ越しさせてしまう方法らしい。いかにも広い中国でこそできる方策ともいえる。土地に適した作物を開発する仕事も大切だ。とかく批判の多い中国だが、ちゃんと考えてやってる人はいる。真面目な研究者やお役人に加えて、衣食足ってボランティアで地域の自然や歴史的な建物を保護することをしている人たちもいる。

 さて私事になるが、衣食住に困っていない身として、これから何かましなことをしてと思っていたら、何かするには健康第一ということを思い知らされた。
 3月来、頻尿で医者の検査を受ける中、排尿障害の対策が必要とおなかに穴をあけられてしまった。こうなると出かけるのがおっくうになる。いろいろと参加したい学習会や集会があったが、どれも見送って一人静かに読書と二胡三昧。そう、二胡の予定だけはなんとか落とさずに出かけるようにしたい。
 写真の小さなカモの置物は、桂林に行ったときに川沿いの筏乗り場で、お金に困ってそうなあばあさんから強引に売られたもの。世界にその名がとどろく観光地でも、元々山間の地元にはその観光の恩恵をなかなか得られない貧困層もいるのだ。