天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」小澤徳太郎著

 著者の小澤さんは元スウェーデン大使。であるので、スウェーデンという国をよくよく観察する機会を得たことでこの本が書かれた。読み終わると同時に、もう一度内容を確認するために読み直したくなる本。

 21世紀に日本が直面する二つの大問題として、「少子高齢化問題」と「環境問題」をあげている。
 これらの問題に、日本が手をこまねいている間に、スウェーデンは誰にも公平感のある年金制度への切り替えを果たし、単なるゴミ処理問題ではない環境問題への取り組み体制を作って実践している。
 「緑の福祉国家」と呼ばれる国を目指す対策が施されて、2025年くらいにはそれを実現しようという計画だ。この間、日本はバブル崩壊後の空白の20年を経ただけで、あったのは原発事故にもかかわらず、再稼働するという最悪の状況。
 スウェーデンにも原発はあるが、収束させていく計画になっているとか。
 スウェーデンの偉いところは、環境問題は地球環境の問題であり自国だけで取り組むものではないという考えから、他国に先駆けて率先してCO2の削減など、協定以上の規模で実施していることなど。
 著者の主張は、スウェーデンを真似ろというのではなく、政治家や官僚はスウェーデンをよくよく研究して参考にして欲しいということだ。
 そういえば、昨日か今朝のラジオで少子化問題に関して、日本の女子で、結婚しない、子供を産まないという人が増えているが、これは非正規雇用の女子が結婚したくても費用がなくてできない。子供を産みたくてもお金がなくて育てられないので産めない。という実態にあることがレポートされた。
 新自由主義だ、企業の効率化だ、人件費削減の企業努力だと綺麗事を言っている間に、日本はこんなになってしまったのだ。
 国民を大事にして、戦争をしない、本当の民主主義を実践している国。「持続可能な」という言葉には地球環境が持続可能という、根本的な意味を踏まえての「緑の福祉国家」を目指すスウェーデン
 日本の今のリーダーは爪の垢でも煎じて飲めと言いたくなる。