天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

読んでいる本たちの関係

 中国への旅を見合わせたおかげで、特段中国のレポートを書くことのでき無い今日この頃だ。3月末というと、サラリーマンの世界は転勤シーズン。昇進昇格などもあり、一喜一憂する人たちもいる。我が勤務先でもそういうことがあるが、私自身は当面の任務に変更がないので、そういうことからは門外漢となっている。それでも、昨夜は帰宅しても停電ということもあり、転勤者の送別と新入者の歓迎が片方の本人不在でとり行われたので、参加をした。
 などなど、日記はとるにたらない事ごとを書き記すことになる。
 読んでいる本たちの関係とは、まず司馬さんの「菜の花の沖」から。現在6巻中の5巻目を読んでいるが、これは江戸時代の回船問屋がどのようなものであったかがよく分かる。ということの他に、江戸末期の北海道政策の様子が分かる。そこには同朋たるアイヌ民族の問題と当時のロシアの様子、ロシアとの領土問題のルーツのようなことも分かる。
 そしてロシアというと、読み始めたばかりの井上ひさしの「一週間」という小説がロシアが舞台となっている。抑留者の話だ。
 エミール・ゾラの「大地‐ THE EARTH」は、フランスの農民たちの様子が描かれているが、菜の花の沖に記されているロシアの農奴と比較してみると面白い。同じ農民でありながら、ほぼ同時代にもかかわらず、その有り方の差というものが感じられる。「農民」と「農奴」という言葉の違いが示すとおりの差だ。その違いがその後のそれぞれの国の歴史の展開に繋がり、さらに現在のそれぞれの国の農業のありかたの違いとなっているのだろう。
 もう一つ、「ワイルド・スワン」の著者として有名なユン・チアンとその夫との共著となる「マオ」上下巻。この本は、毛沢東の実像が実録風に書かれたものだが、中国共産党の初期段階からロシア、当時はソ連か、ソヴィエト共産党との関係がよく分かる。
 総じてロシア繋がりである。更に読みかけの「十八史略」(陳舜臣)の方は、ロシアまでは出てこない。が、中華民族以外は。夷狄として今ではロシアに含まれる地域にいた人たちも出てくるだろう。
 こういう関係にある本たちを並行して読んでいると、ロシアという国が立体的、歴史的(時間的)に浮き彫りに見えてくるようで面白い。ロシアはこれから、どこに行こうとしているのだろう。