福建省アモイの人
昨日も今日も、仕事帰りに神田付近で友人たちと食事会だった。昨日が中華で、今日は鶏料理の居酒屋。中華料理の店を中国人がやっているのはもはや普通のこと。居酒屋の店員さんたちがほとんど中国人というのも当然の世の中になっている。私が毎朝立ち寄るデニーズで珈琲を入れてくれるのも中国人。
しかし、今日の居酒屋では友人たちは、注文を取って運んでくれるお嬢さんたちが中国人であることには気づかなかった。私がそういうまでは。それほど日本語が板についていることと、見た目も美しく自然な立ち居振る舞い。気づいている私は帰りがけにどの地方の出身か聞いてみた。したところ、福建省はアモイの出身とのことだった。この辺りにも美人は多いのだろうか。
話はそういうことではなく、この界隈で出会う中国人は皆福建省の人たちということだ。昨日の林菜家の林さんも、昼をよく食べていた金陵という中華のマスターもみな福建省の出身だ。福建省は中国の南に位置し、昔から華僑の出身地と知られる地域だ。そのような伝統的な文化というか気質が今も受け継がれているのか、海外に出ようと言う人が多いのかもしれない。それとも神田界隈は福建省の縄張りだろうか。地元八王子の中華屋のおばさんは四川省だった。
縄張り論議は分からないが、福建省が今も外に出る人が多いのはやはり昔からの先祖代々の行動パターンとして稼ぎに行く地域としては、国内よりは海外なのだろう。海に面しいるということが一番の理由に違いない。
海に面しているという意味では、上海もそうだ。しかし華僑のメッカは上海ではなく福建。私の勝手な想像ではあるが、上海が福建省に比べて海外行きの人がそれほど多くなかった理由は、長江のせいではなかろうか。この揚子江と呼ばれる長大な河が中国の内陸部と沿岸部を結んでいる。このために人々は比較的自由に、内陸に行ったり海の地方に出たりできたのだった。海外に行くまでも無く、長江で他地域に稼ぎに行くことができたせいではなかろうか。