天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

幸福立国ブータン

 新聞の本の紹介蘭で、タイトルで一発で引かれて買って読んだ本。大橋照枝という方が書いておられる。中には写真も掲載されているので、臨場感もある。ブータンがどういう国か、次に箇条書きする。
・人口67万人のヒマラヤの小国。地面は九州くらいらしい。
・国民の97%が幸せと感じている国。
・国の評価にGDPではなく、GNH(グロス・ナショナル・ハピネス)を提唱。
・国土の60%以上を山林とすることを決めている国。
・仏教国。王国であったが、王様自ら宣言し、2008年立憲議会制民主主義に移行した。
 などなど、特徴を列挙すると切りがない。ここまでの特徴を見る限り、なんて素敵な国だろうと思う。事実、よき為政者のおかげでヒマラヤの小国が素晴らしい国になっている。しかし、一方で心配なキーワードは次の通り。
・テレビとインターネットが解放されて日が浅い。
・貧困撲滅が課題。貧困とは、1日を1ドル25セント以下で暮らす人々。
・都市と田舎の格差。
狭いながら、都市部と山の中の暮らしとでは大きな差が出始めている。インターネットなどにより、海外文化が流入すると物質文化への価値観の転換が起こりはしないか。田舎で自給自足ができれば、現金をほとんど使わないで暮らせるが、これを貧困と呼ぶのだろうか。などなど、実情に疑問と心配が起きる。
 他の発展途上国と言われる国々と異なるのは、ブータンのベースに仏教があること。これにより、隣の芝生を羨ましがることが無ければいいのだが。うがった見方をすれば、ここにキリスト教が入ってきたらどうするのだろう。一口にキリスト教と言っても色々であるが、宗教面でも異文化にさらされる可能性があり、その結果今の国民性が保たれるだろうかということが気になる。
 ブータン自身は、今の良き指導者たちの下で現状の文化をいかに維持してゆくかが課題。現在は国家収入の30%を海外援助に頼っているものを、援助ゼロを目指している。独立国家として、それはいい。しかし稼ごうとするあまり、お金を追いかける文化に染まってしまわないだろうか。それが心配。
 一方で、我々はブータンの主張を真摯に受け止めなくてはならない。幸せは物質的なものではなく、心の感じ方の問題であり、家族、友達が支えあって生きてい行くことに幸せを感じる感覚が必要なのだ。それは地域社会の助け合いにもつながる。バランスが難しい。と思ったらブータンの国の運営の指標に「精神面の幸福」に加えて「文化の多様性」「時間の使い方とバランス」ということが書かれていた。
 ブータンと言う国が地球上から消えないように、ますますその方針が世界に受けいられるように、なんとかしたいものだ。と感じています。まだまだ書き足らないが、日記としてはここまで。