天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

アルボムッレ・スマナサーラ

 「怒らないこと」サンガ新書、を書いた人。仏教家なので、インド人かと思ったらスリランカ人だった。スリランカと言えば、かのマザーハウスの進出地域ではないか、と思ったら違った。マザーハウスバングラデシュからネパールへと出ている。スリランカはどこなのか、と思って「なるほど世界知図帳」を開いてみると、バングラデシュとネパールはインド北部で、スリランカはインドの南の島、セイロン島にある国であった。どの国もインドと接しており、インド文化圏と言ってもいいのかもしれない。歴史的には色々ありそうなので、簡単に整理してはいけないのだろう。

 そもかく驚いたことは、この「怒らないこと」という平易な言葉で書かれた仏教の入門書の中に、厳しい自己管理のことが書かれていること。即ち、短い単位で幸せを感じるようにすればいいのだ。その連続が幸せになるという理屈。その短い時間の間にやろうとしたことができて、よかったと振り返ることができれば、小さな幸福を感じる。それでいいのだ。短い期間とはどれくらいかというと、10分だ。今月の目標とか、今週はこれをやると決めて、できなくて自己嫌悪する必要はない。10分でいいのだ。簡単なことですと言われて、ああそうか10分間くらいのスパンでいいのか、と思ったら大間違い。10分たりとも無駄にしてはいけないということではないか。10分刻みの自己管理ともいえる。思えば私は沢山の10分を無駄にしてきた。長い人生のなかで、いかに時間を浪費してきたことか。と反省するも、著者の意図はそういうことではない。今からの10分を積み重ねろということだ。過去を振り返って、自分に怒ることが趣旨ではないはず。
 余談だが、著者アルボムッレさんは、国費留学生として来日して以来、多くの本を含めて、日本で仏教活動をしているらしい。国費留学生というのは、スリランカに帰って自国で貢献しなくていいのかなという気がしないでもない。スリランカの人が、日本で活動すること自体、スリランカの存在をアピールしているから、そのほうがいいのかもしれない。お坊さんなので、時代が過ぎるとその昔、天平の甍の時代に中国から来た鑑真和上のような存在として語られるだろうか。
 さて、お彼岸の3連休。どう10分を刻もうかな。