天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

昭和史 1926→1945

 掲題のタイトルの本を読んだ。次に戦後篇1945→1989を読む。本の紹介・感想は問題ないと思うので書く。著者は半藤一利氏。
 読み始め、語り口調で読み易いと思ったら本当に語っているのを編集したものだった。語り調のためか、はじめはこの人はどういうスタンスで昭和をとらえているのか理解に苦しむ感じがあった。歴史を騙るのではあるまいな、と思ったが大間違い。最後まで読むとはっきり主張もあり、かなり踏み込んで書かれている、いや語られているといえる。こぼれ話として、司馬遼太郎氏がノモンハン事件を書かなかった理由が書かれていて、大変興味深かった。司馬氏が書いたとして、それを読むより書かない理由となったその事実の方が心に響く。「事実は小説より奇なり」ということが有るようだが、この場合は奇というより、真に迫る。どういうことかはここでは省く。知りたい人は読むべし。
 そもそもこの本を企画した人は、昭和の歴史などは学校で教わらなくて知らない人が多いので、そこを分かりやすく語ってもらおうということだった由。戦争を知らない世代である、私も知らなかった、多少の事実を知っていても、ここまでは知らなかったということ。
 この期間(昭和のはじめから終戦まで)の歴史は戦争の歴史だ。陸軍が、悲惨な戦争を引き起こした諸悪の根源というように語られているが、最後のまとめで、それが日本人の性癖とも言えるのであり、そこのところをわが身に振り返ってよおく考えなくては、歴史に学ぶということなどありえない、と主張されている。
 後半を読むのが楽しみ。1989年までか。天安門事件のあった年までか、と思ったが当たり前、その年にちょうど昭和が終わったのだった。あの年はいろいろあった。ベルリンの壁が壊されたのも確かあの年で、私の職場も180度転換した年だった。(急に私事)そして平成になった。ということは、昭和は20年以上も前に終わった時代なのだ。だからこうした歴史本などが出回る時代になったとも言えるかもしれない。
 ともあれ、昭和史は満州へ行って戦争を仕掛けたところからはじまり、戦後の回復、発展の歴史なのだ。戦後の途中から自分も参加しているわけだ。学校で教わらなかった理由の一つに「都合の悪いことは言わない」という日本人の性癖があるのかもしれない。