天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

戦争・平和・いのちを考える 木村利人

 しあわせなら態度に示そうよ!という副題。大学のOB会報に紹介されていた本。著者の木村利人という人は、「しあわせなら手をたたこう」という歌を作詞した人だ。この歌は単なる童謡ではなく、旧約聖書詩編47篇をヒントにして作られた歌らしい。そして、新約聖書のエフェソの信徒への手紙第5章8節にある聖句「光の子として歩みなさい」という箇所。これは日本聖書協会新共同訳による表現だが、「いのちのことば社」のリビングバイブルではこの箇所は「あなたがたの心は以前は暗闇におおわれていましたが、今は主からの光にあふれています。そのことを態度で示しなさい」となっているとか。

 この訳文は、歌がヒットした後に出されたもので、新たな聖書表現にの影響を及ぼしているとか。
 で、この本には何が書かれているかというと、
1.私は軍国少年だった
2.「しあわせなら手をたたこう」の誕生
3.ベトナム戦争と枯葉作戦
4.いのちと世界の教会
5.日本の軍事医学犯罪とフクシマ
6.日本国憲法に学ぶ
7.いのちのイメージ
 私より17歳も年上の先輩が、昨年書き上げた本。4章のところで、エキュメニカルなバイオエシックスへのアプローチと、カタカナが並んで何のことか理解に苦しんだが、日本語に言い換えると「教会の会派を超えた生命倫理学へのアプローチ」ということになる。少しわかる感じがする。
 この人はhatehei666さんと同じキリスト者だが、戦前戦中は洗脳された軍国少年だった。それが敗戦で国に騙されていたことを知り、進駐軍の米兵との接触により視野を広げ、入信に至る。
 戦争の悲惨さのなかでも、ベトナム戦争ダイオキシンによる次世代までも影響のある非人道的な兵器が使われたこと、旧満州731部隊での人体実験について、人間の尊厳を否定する大罪悪であるとする。
 キリスト者としていのちを考える視点から、一貫して戦争反対、核廃絶原発反対、を訴えておられる。そのために今の日本国憲法がいかに素晴らしいものか。これを保持し続けることが人類にとっていかに重要なことかを書かれている。
 あまりに重大なメッセージなので、簡単に書評など書いては申し訳ないくらいだ。読み返して、ここのところは広く人々に知ってもらいたいという箇所を解説できないものだろうか。と感じる次第。