天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

君よ憤怒の河を渉れ

 昨年来、高倉健さんの映画リバイバルブームだ。来月には、日中友好協会八王子支部でも、高倉健さんの「単騎千里を走る」という映画の映写会を行う予定だ。
 高倉健さんは中国でも人気の映画俳優で、掲題の「君よ憤怒の河を渉れ」という作品も、舞台は日本だが中国語に翻訳されて向こうでは大変な人気だったとか。そのDVDも支部で購入しているので拝借してみてみた。

 人気の理由は、いわれのない罪を着せられて、自らその真犯人を追及するという痛快な筋書きが、文化大革命で理不尽な罪を被せられた多くの人々、特に知識人に受けたのだそうだ。そしてその真犯人は、単に悪者というよりも企業社会がもたらす政治とお金の問題を浮き彫りにしている。
 それにしても古い映画だった。出てくる車が、懐かしい出始めのセリカとかマークⅡだ。確かにこれは、時代的には中国では文化大革命が終わった頃にあたる。私が大学を卒業して働き始めたころだ。共演の中野良子もなかなかの熱演で素晴らしい。
 主役の高倉健は、不審な政治家の自殺を、単なる自殺ではなく、その時一緒にいた製薬会社のボスを調べようとした。その矢先、身に覚えのない強盗傷害や窃盗の犯人に仕立て上げられてしまう。そこでおとなしく警察に捕まらずに逃走しながら真犯人に迫る。その逃亡を助けるのが、北海道の牧場主の娘役の中野良子。二人の出会いは、彼女がクマに襲われそうなところを、逃走中の高倉が助けるのだが、そのクマが嘘っぽくて面白かった。また、検事の世界では犯罪に対して絶大な権力を持っていることが、少し皮肉のように描かれていて興味深かった。冤罪がよくあったが、彼らの都合で犯人の取り扱い方が決められていた様子がわかる。
色々な意味で面白い映画だった。