天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

満州残影

 昨日午後、喘息改善目的の呼吸法講座に出かける前に、時間の余裕があったので新宿西口に新しくできたブックオフに立ち寄ってみた。場所が場所だけに、金曜の午後という時間にもかかわらず結構な数の日田たちがいた。
 何か掘り出し物でも無いかと見ていて気になった本。「満州残影」という歌集。他にも面白そうな本は有ったが、荷物になるので1冊に絞ってレジへ。
 「105円です」と言われて怪訝な顔をすると、店員が気づいて「1350円」と言い直した。100円の本ばかりが売れているのだろう。ひるまず105円を出せば、それで済んだかもしれないが、ブックオフで1000円以上の本を買おうと言う気になっていたところだったので、一瞬つまった。
 即ち、これは1000円以上出しても買っておかなくては、という思いがした本だった。
 冨尾捷二という人の歌集。この方は満州生まれの引き上げ者だ。それだけで大変な経験をされたに違いないことがわかる。うんちくを言うより作品を紹介。
最初の一首
  着のままに異郷さすらふうきくさの思ひはかえりゆくみちのくに
NHK全国短歌大会の大賞受賞作
  引揚船の仮設便所の暗き穴に玄界灘の荒波を見き
この本は昨年6月に出されている。最近の歌から
  ヒロシマナガサキそしてフクシマも半減期長き名をとどむべし
  汚染濃き緑悲しく赤き根のハウレン草ははぶられにけり
 ちなみに、ネットでこの本を検索てみたらAMAZONで219円で売っていた。送料は250円。
 本当に物の値段ってどうなってるのかと思うが、ブックオフをうろつかなければ出会うことが無かった本だ。ブックオフに限らず、たまに古書店をゆっくり覗くのもいい。