天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

習近平時代の中国を展望する(JCC中国講座)

 宋慶齢基金会主催の中国講座に参加した。場所は八王子プラザホテル。時間が自主防災隊の寄合とクラッシュしてしまったが、貴重さで測ればこちらを優先させてもらった。
 講師は朱建栄氏。東洋学園大学の先生で、自分はよく知らなかったが結構著名な方のようだ。話がとてもうまい。内容が分かりやすくて主張がしっかりしている。その主張には十分共感できるものだった。
 氏は昨年「中国で尊敬される日本人」という本を中国で出している。これは、日中戦争後に中国に残って革命に協力した人、国交のない時代に中国で技術支援をした人たち(4000人以上)などの事を書いているとのこと。
 今回の講演のポイントを順不同に列挙しておこう。
・現在開催中の中国共産党大会では、主席の交替はまだない。来春の全人代で正式に決まる。
・現代中国が対面する問題は、従来の方法やイデオロギーでは解決できない。
・欧州各国は、かつては植民地を求めてアジアを蹂躙したが、そのアジアが発展し始めると、貿易保護主義と称してこの地域からの輸入を制限している。
・現在の中国は1968年に日本がドイツを抜いて世界2位になったときと同じような状態。即ち、庶民にはそういった実感がない。全体としての数字は膨らんだが、格差が拡大し労働運動が盛んになっていた。中国で報道される暴動は格差への不満に対するものである。
尖閣列島の問題は、島自体は大した意味がない。日中国交回復のときもこの問題は棚上げにすることを前提にしたはず。そこをじわじわと日本が実効支配という実績を作ってきた。今年になって国有化を宣言することは当初の申し合わせと事なる。この問題を突き詰めるのは双方にとって得策ではない。東アジア経済圏を強固にした協力関係を作れば、この問題が大した意味がないことが分かるだろう。(まったく同感)
 とても理性的で筋の通った論旨と、中国の状況をよく見ていると思う。この人の著作をチェックする必要がありそうだ。