天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

ヒロシマ・ノート

 大江健三郎さんの、今や著名なエッセイ。1965年に原爆投下後20年というタイミングで書かれたものだ。そして、それから更に47年が経過している。大江さんは、原発反対運動の呼びかけ者として折に触れ、前面に出られている。その行動の原点がここに記載されているとも言える。
 この本に中で、「正統的な人間」として書かれている重藤博士(原爆病院長)をはじめ、被爆しながら屈服しないで生き抜いている人達と、この頃に大江さんは連帯すると宣言されている。
 「重藤博士」とネット検索すると、はてなのブログに行きあたった。
http://d.hatena.ne.jp/suisodrogen/20120101/1325377331
 今年の新年に書かれている。つまりこの本は今も読み継がれているのだ。
 広島と長崎に於いて、ここに書かれているようなすさまじい被爆経験を持ちながら、原発を安全クリーンなエネルギーとして推進してきたあきれるような政府、役人、電力会社。
 被爆した人と、していない人の対比では、たまたまその時そこにいた人が被爆し、そうでなかった人がそれ以外の人間として、大方は他人事ととらえてしまう。問題の本質を正確に見抜く人は、被爆し、そのことをまっとうに受け止めて不幸が繰り返さないように活動する人達と連帯する。たまたまのその場所が、67年前は広島・長崎であり、今日の福島だ。
 福島の場合、戦争ではないものの、人間の愚かさが引き起こした被害であることは既に誰もが承知するところとなっている。
 毎週金曜の抗議行動に参加している人は、連帯して活動している人達に他ならない。そこに行けなくとも、応援する人は増えている。一方で、洗脳されて抗議運動を批判的に見る人や、まったくの無関心派が大勢いることも事実だ。
 子供たちが不安なく暮らせる環境を残す活動を支持したい。