天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「生命の風物語」甲斐大策著

 「シャリマール」という甲斐氏の本を読んで、更にこの人の著作を読みたくなって購入した。アフガニスタンを舞台とした12編の短編集だ。なんと表現したらいいのだろうか。本の帯には「苛烈にして荘重な短編集」という言葉があるが、まさにそういった印象だ。
 ここにある物語は、甲斐大策氏の創作であるが、アフガニスタンに生きる庶民そのものの姿だ。
 古くは英国の支配、最近ではソ連の軍事介入などがあり、撤退後2001年の9.11以降アメリカテロの巣窟として攻撃対象にしてきた。そこに生きる庶民はえらい迷惑。政治的に外からの圧力に翻弄されてきた人々。その中にあって生きるスタンスを変えない人たち。民族の誇りを大切にしているともいえるが、そこに暮らす人たちは、ただ淡々と運命の命じるままに生きて、そして死んでゆく。
 現在、この地で井戸掘りや用水路建設を行っている中村医師は、このような人たちから去りがたく、友人としてできる協力を惜しまない。というのがその行動の原動力ではないだろうか。中村医師の本も次々読んでいるが、この人の本もまた注文してしまった。
 つぎは「アジア回廊」というタイトルの本で、甲斐巳八郎という人と共著になっている。中村医師の場合は、キリスト教団からの派遣医師として現地に出向いたのがアフガニスタンにはまるきっかけだった。ではどうしてこの甲斐大策という人は、アフガニスタンに引かれたのだろうと思っていたら、この甲斐巳八郎という人は父親だ。つまり父親の影響があったということだろう。
 ではこの甲斐巳八郎という人はどうして・・・、次に注文した本を読んでみれば分かるだろう。中国のその先に有る国。一度この目で見てみたいものだ。