天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

幸福考

 ブータンは、幸せ立国として有名になり、少し前にこの国のハンサムな王様が日本に来て話題になった。国民の97%が「幸せだ」と答える国。物の豊かさが幸せではないという共通認識を国中の人が持っているということだ。最も先を行く人たちのように見える。
 彼らと言えども、物質文明の便利さを知り始めると、物が欲しいという「物欲」に精神が支配され始めるのではないか、ということを実は心配していた。
 今日の朝、週間ブックレビューという番組を見た流れで、「旅のちから」という番組を見てしまった。日本の売れっ子ダンサーのウサがブータンを旅する様子だった。旅と言っても、ブータンの田舎のお祭りで地元の神事の踊りを習ってそこで踊ると言う企画だった。番組案内は以下の通り。
「人気絶頂のグループ、EXILE。斬新なパフォーマンスで異彩を放つUSA(ウサ)が、今回の旅人。ステージの輝きとは対照的に、未来への不安で眠れず、「幸せとは何か」を自問する毎日。USAが旅するのは、幸せの国として知られるブータン王国。東部の小さな村で農家に泊まり、チャムと呼ばれる神聖な踊りに挑む。USAほどの実力を持ってもなかなか習得できないが、温かい村人たちに励まされ、本番の舞台に立つ。」
 彼自身、本番を踊り終わって、周囲の人たちの反応に涙する。見ていてこちらも涙する。
 音に聞こえしブータンの幸せだという庶民の様子が、そこに見ることができた。あの人たちは、よそから来た人も含め、お互いを気遣いあって生きている。お坊さんは、今日食べるものがあれば明日を思い煩う必要はないという。必要以上の物を求めても何にもならない。お互いを気遣う心があればいさかいもない。それが仏教を通して人々の共通認識になっている。そういうことが分かった。
 さて今日の夕方、また文京区シビックセンターまで出かける。現代中国映画上映会に行く。今日の映画は「幸せの絆」。現題は「暖春」という。これがまた泣けた。
 筋書きは単純。人のいいお爺さんが、よその村から逃げてきた7歳の娘を引き取って育てる。その子は両親と祖母に死なれ、もらわれていった先で、ろくにご飯も与えられずにいたのだ。引き取った爺さんの息子夫婦がいて、ここに子供が生まれない。嫁は自分の子供でなくては受け入れたくなくて、その子につらく当たる。
 しかしその子のあまりのけな気さに、自分たちの子どもとして一緒に暮らすことにする。と簡単に書いているが、こうなるまでの経緯が泣ける場面が多々あった。クライマックスでは、そもそもお爺さんの息子というのも、親がしれない捨て子だったのをおじいさんが育ててきた。本人には知らせていなかった。その秘密を知る村長さんが、皆なの前で話してしまう。それは、そのおじいさんが実は一生独身で、貧しい農家で二人の子供を引き取って育てていることを知らせて、食べ物など、村の皆で分け合おうと言うことだ。
 育てられた彼女は優秀で、大学まで出る。それでどうするかと思ったら、育ててくれた村への恩返しとしてそこの小学校の教員になる。ストーリーは、出来すぎたお話に思えるが、映画的にはついついホロホロさせられた。結局、人への思い遣りがお互いを幸せにしていくということがテーマと見た。
 今日は、朝と晩に涙が出た。幸せと言うのは、人と人との思いやりの中にあるのか。というようなことを考えさせられた。