天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか」という本

 昨日書いた加藤嘉一さんの本。彼にとっては日本で初めての本らしい。全体読んでみて感じるのは、若いのになんと冷静なということだ。にくらしいくらい冷静。読み始めたときに感じたのは、文章が若いように思えるということ。これは本人が若いのだからそれでいい。
 読み終えてひとこと「加油!」。本のカバーに「中国で最も有名な日本人」と書かれているが、それは彼がむこうのメディアでお馴染みになっているらしいことと、その3カ月で500万アクセスを突破したという中国語ブログのせいだろう。この本の最後のところで、その中国語ブログを今後も書き続ける、と意思表示していることに対して加油!なのだ。ブログの内容は彼の冷静な日中関係論が書かれるであろうし、ブログだけではなく彼の今後の活動に対して加油!である。
 そのブログについて、彼が書いているところによれば、「ブログは実名・顔だしが基本」とある。ドキ、そうだったのか、では、と言って顔を載せるほど自分も単純ではない。(かなり単純だけど。)日本人のブログはそのようなものが多いそうだ。あくまでも網上(ワンシャン:ネット上)の世界での交流を楽しもうというスタンスであったり、自分が誰かはともかくこのような考えもある、ということを伝えたいということだろう。
 そこへ行くと中国はそうではないらしい。確かに、いくつか中国人ブログを拝見すると、本人写真が載っている場合が多い。若い人の場合(ほとんどが若い)、その写真はやたら美人だったり、かっこいいお兄さんだったりする。なにか別の目的で写真屋さんの写真みたいのを載せてるんじゃあないのと思いたくなるくらい、写真はいい。いずれにしても実名でカミングアウトして書く、ということはそこに書く内容についての論議を現実世界の論議にしてゆくには、そういうことが必要ということだ。私の場合、本来の趣旨で書くべき内容になっているか、よおく考えてから改訂を考えてもいいかもしれない。
 さてこの本の話に戻ると、後段の方で毒入りギョーザ事件のことが書かれている。最近の日本人の中国不信の傾向はこの事件の影響が大きいと言うことだ。あるいはこの事件の取り扱い方がまずかったので、必要以上に中国人不信にたているというのだ。そうかもしれない。本のタイトルの問いへの答えは、日本人の方が中国人嫌いの率が多いということだ。中国では抗日運動があり、日本人と分かると何か危ない目にあうのではないかと、ナンセンスな心配を真顔で言う人すらいる。
 今後この著者は日中関係が良好に推移するために、中国日本の双方でいろいろ活躍されてゆくことと思う。ブログとインタビューが中心かもしれない。自分のブログも、そもそも日本人に対して中国を嫌うことのないようにという意図があるわけで、微力ながら継続してゆきたい。