天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「阪急電車」と言う本

 この前、眼鏡をなおしにイトーヨーカドーまで出かけ、ついでに隣の本屋さんに寄った際、同行者の家人に欲しい本があるかと尋ねたところ、この本を持ってきた。買ってから、めずらしくすぐに数日で読み終え、私に読むかと持ってきたので、しばらく温めておいた。
 有川浩著で、75万部のベストセラーだ。映画化もされている。出演俳優は、帯によると中谷美紀戸田恵梨香宮本信子、他とある。たいていの人は知っているベストセラーなのだろう。
 映画化されたベストセラー本だな、と軽く手に取ってパラパラして見たら、最後の解説を先般お亡くなりになった児玉清さんが書かれていた。なので、まずそこを読んでみたら、絶賛されている。解説文はフツーそうだ。その作品をプラス評価する人が書くものだ。ともかくその解説を読んで、本の構成とかアイデアなどについて予備知識を持ったので、安心して読み進むことができた。
 解説から読むのもいいものだと思った。
 本の舞台は阪急電鉄今津線という、宝塚駅から西宮北口駅までの8駅の短い線を往復している列車だ。ひと駅ごとに乗り降りする人たちの人間模様が、登場人物同士の接点を含めて書かれている。8駅分の物語で、往復して16の物語になっている。往復だが、複の物語は半年後の様子だ。行きに色々あったことが半年後にふぉうなっているかが分かって面白い。
 小説の要素が見事に整っている。これは売れるはずだな、というのが印象。そして、こういう本が売れることと、こういう本を書く人がいること自体、まだこの世の中も捨てたものではない、と感じた。