天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

中国映画「イノセント・ワールド」

 先週末現代中国映画上映会に行き、掲題の映画を見た。この上映会は場所が映画館ではなく、映画館に比べると分野的に特殊なこともあり、観客も少ない。なので、いつも特殊なものを見ている感じがある。
 が、今回は何と言うか普通に映画館で見るような映画として楽しんだ。男女のペアのドロボーが、純真無垢な出稼ぎ青年に出会う。女性の方はもうドロボー稼業から足を洗いたくなる。それは相手の男の子供を身ごもったのがきっかけで、まっとうな暮らしで子育てをしたいと思うようになったのだった。その彼女が純真な年下の弟のような出稼ぎ青年に出会い、そのあまりの純真さにうたれる。
 出稼ぎ青年はチベットへ出稼ぎに来ていたのだが、5年の間に働いたお金6万元を持って出身地へ帰ろうとする。中国特有の長い列車の旅だ。その列車に乗り合わせたドロボー軍団は彼の金を狙う。そこから男女ペアのドロボーが青年を守ろうとする。プロのドロボー対決がエンターテイメントとして面白い。私服警察も乗り合わせていて、筋書きを更に面白くする。
 中国で、こんな映画が作られるということは、庶民感覚というものはもう先進国並みだ。広州で開催している亜細亜大会では、中国が金メダルを量産している。それは喜ばしいことではある。
 それでも、それでもだ。今だに多くの人民、農村出身者を中心とした多くの人たちが大変な暮らしをしている。この映画のイノセントな青年のように、決して恵まれているとは言えなくも、純朴なままで生きて行けるならいい。山奥の少数民族の一部の人たちは、まだそうかもしれない。しかし市場経済化している中国では、格差が人を不幸にしつつある。やはりなんとかしなくては。