天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「やがて中国の崩壊が始まる」という本

 少し前、1年以上前にブックオフで買った本。この手のタイトルの本は、中国を悪者にして、悪いことを指摘して本を売るのだなと思ったので、ブックオフで見たときもすぐには買わなかった。何度か目にまだ並んでいるので、何が書いてあるか読んでみようと思い購入。しかしなかなか読む気にならなかった。
 が、読んでみると面白い。著者は中華系アメリカ人。父親が文革時代から国外に出て米国に住みついたということだ。この本の書かれた頃は江沢民国家主席であった時代。もうすぐ政権交代時期にあたる頃。交代前の時代と言う意味では今と似ている。江沢民から胡錦濤に代わり、今その胡錦濤も来年には後継者にバトンを渡す時が来ている。
 この本は、共産党と国有企業との断ち切れない関係が、中国にとっての大きな問題であることを指摘している。その後中国はWTOに加盟し、外資を更に積極的に迎え入れることで経済発展を果たしてきた。私の知り得る限り、国有企業も外資との合弁事業を立ち上げることで企業として成り立ってきた例がある。うまく外資と提携できた国有企業はそのような進展があっただろうが、そのような余地のない国有企業はどうなっているのだろうか。
 この本は、そのタイトルからは単に中国批判の本のように見えたが、実は自分のルーツであり父の祖国である中国を愛情を持って、冷静に状況把握をし、そのうえで「このままではいけないぞ!」という警鐘を鳴らしている本だ。
 それから9年あまり経て、政治体制は存続しているが、経済は資本主義経済の様相を呈している。貧富の格差拡大など、色々な問題を抱えながらも現体制を維持しているのは、指導者胡錦濤氏や温家宝氏の采配がそれなりに効を奏しているということなのだろうか。
 いずれにしろ、指導者は次世代へと移る。