天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

労働実態

 中国情報局という、中国ウォッチャーサイトがある。ここを見ていると色々気になることがあるが、その中で現代版女工哀史の実態があった。一部を引用させてもらう。
 「ある従業員の話によれば、厳しいルールの中毎日10時間程度単調な仕事をこなし、10人ほどが一緒に寝泊まりする部屋でも誰ひとり口を利かず、「ルームメイト」の名前すら知らないという。会社側は従業員のニーズに合わせて娯楽施設を増やしたり、さまざまなイベントを開催したりしていると説明したが、その数は40万人を超える従業員数から見れば全く足りていないようだ。」
 これは、ある会社(日本の進出会社ではない)で飛び降り自殺があい次いでいることから実態調査をしたレポートだ。働いているのは農村出身の17歳〜27歳の若者ということだ。場所は深セン。最近この街の治安が悪いということらしい。こういう労働条件下に置かれていては、自殺をしたり、やけになって犯罪を犯したりするようになってしまうのだろう。昨年、見損なったが「女工哀歌」というジーンズ工場のドキュメンタリー映画があった。まさにあれだなと思った。
 この地方では、最低賃金制度ができて月1000元が決められている。最低1000元は払えよということなので、それ以下の企業もあったということだ。1000元といえば、今のレートでは日本円で15000円にも満たない。それにおそらく寮生活なので、部屋代食事代をそこから差し引かれることは十分考えられる。その残りを使わずに貯金して、田舎に送ったり春節の休みに大事に持ち帰るのだろう。
 そういう生活から抜け出すために、運のいい若者は大学へゆく。家族、親戚の支援を受けて大学へ行くのだ。兄弟を学校に入れるために、ひどい労働条件の中でお金を稼いでいる若者もたくさんいるはずだ。
 少し前は、中国の貨幣価値感覚は大雑把に日本の十分の一と言われていたが、今もそうだろうか。最低賃金が日本で13万〜15万円ということになる。これで、一人独身ものなら生きて行けるかもしれないが、家族があればとても足りない。一方年収400万円以上が中国の富裕層と言われている。日本で4000万円の年収なら確かに富裕層だ。4000万は多すぎ。2000万円でも多い方だろう。これ以上を日本の富裕層だとすると、対中国の貨幣価値感覚は5倍程度。とすれば月1000元は日本で7〜8万円程度になる。
 格差度合いの比較をすれば、日本の格差よりも中国における格差の方が大きいかもしれない。その中で頑張っている人々には、やはり応援しなくてはという気になる。