天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

映画の日

 今、マイケル・ムーア監督の特集番組を見ながらこれを書いている。家が無線LANになったので便利になった。番組は「反骨の映画監督」として紹介されている。彼は資本主義そのもをテーマに映画を作製したらしい。アメリカでは1パーセントの人間に富が集中して、多くの人々が首切りなどによる貧困に苦しんでいる。そのことに問題意識を持っての、映画を通しての活動だ。今までも、911の映画など米国の政治家の矛盾、不誠実などを主題にした映画を作成してきた。映画で、社会の矛盾を訴え続けてきたのだ。資本主義という映画で、自分でやれることはすべてやった、という感想を持っているらしい。
 番組のエンディング「この男は本気で考えている、『きっと世界は変えられる』」。
 今日は、現代中国映画会で中国映画3本を見て帰り、この番組から目が離せなくなったので今日は「映画の日」となった。
 中国映画もなかなかよかった。
 1本目は「五人の娘」。これは完全なエンターテイメント映画。1959年の作で、中国では「大躍進」の頃。農民も含めて国中で鉄を作ることが最大命題とされていた頃の映画。毛沢東による「大躍進」が実にバカバカしいことで、その結果食料不足におちいり、2000万人が餓死したということなどについてはさておき。本で読んだ大躍進の当時の庶民の姿が映像で見られたということが、とても印象的だった。ストーリーもとても面白い。
 2本目は「古井戸」。中国語では「老井」というらしい。これは水の出ない村で、昔から井戸を掘ろうとして失敗し続け、何十年かあとの1985年くらいかにやっとのことでできた。映画は1987年の作品。最後に井戸を掘ったときの物語だと思われるが、過去に何代もの間に、何度も犠牲を払いながら失敗してきて、あきらめずに、新たな犠牲を払いながらも掘り続ける。その間、そんな場所を捨てて他に移ろうとしない、先祖の地を離れようとしない庶民。この場合は農民。それが土地に根付いた人間社会の生き方であった。中国においては、まだそういう面が強い。そのことが心にひびいた。
 3本目は、映画としては稚拙なものだが、1944年の頃の地方の田舎がどのようなものだったかがよく分かる。大きな帆でできた風車があったり、貴重な映像である。1957年の作品らしいが、日本語字幕は中国で付されたもので、誤訳や適切な表現になったないところもあるが、その当時に付されたとすると、日本人に見せることを意識していたというところがスゴイ。
 本来あと2本あったのだが、途中用事で見逃した。しかし今日はDVDで場所がパイプ椅子だったせいで、3本で十分お尻が痛くなった。5本はtoo muchカモ。しかしこのような貴重な映像を見られる機会は大切にしたい。