天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

医療費

 医療の問題については、これが社会的共通資産としてもっと整備されるべきだ、という主張は理解できた。現在の報酬制度も大いに問題があることも分かった。ところで、医療費全体の規模がどのように推移してきたかの資料がある。厚生労働省によるものだ。昭和40年度から平成19年度までの数字。
 年々医療費は増え続けている。この40年強の間に、医療費総額は30倍となった。昭和40年には1兆1千億だったものが、平成19年には34兆1千億となった。国民所得はどうか。同じ期間で26兆8千億が374兆7千億と約14倍。即ち、所得の伸びよりも医療費の伸び率が大きい。医療費の国民所得に対する割合は、4.18%から9.11%と倍以上の負担となっている。
 これはどういうことか。まず医療の進歩がある。昔は治らなかった病気が治るようになった。しかしそれは有償なのだ。同じ費用で進歩した治療が受けられるかという、とそうではない。当然のこと。しかし、医療の進化はお金に換算したときに、進化した医療の価値は、この程度のものなのだろうか。治療法や薬の研究の費用も本来、医療費から負担さるべきものではないか。
 適正な価格を決める、ということは難しい。自由競争にしてしまえば、需要と供給の関係で適正価格に落ち着くという考え方は、医療については当てはめるべきではない。では価格決定はどのようにするか。
 私案では、一定以上の医療技術の専門性を要する治療に関して、有識者による評価制度を設けてはどうか。すべての医療行為について、いちいち専門性を評価することは不可能だが、個々人の医者の医療技術のレベルや経験年数、実績などを評価し、それに応じた単価を設定するというのはどうだろうか。評価判断するのは有識者でなくてはならないが、有識者というのも医療従事者だけではお手盛り感があるので、そのほかの分野の有識者も含めた評議委員制度がいい。
 しかしこういう制度も大切だが、適正評価が費用負担を減らすとは思えない。この赤字財政国家においては、費用のかかる医療の世話には極力ならないような生活習慣を身に付けることこそ必要だろう。まずは自らこれを実践するか。