天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

大施食会(施餓鬼会)

 大昌寺という信州戸隠のお寺に112家族が集まって、恒例の施食会が行われた。昨日のこと。朝9時から受付が始まり、お経は10時から約1時間。近隣のお寺から賛助の和尚さんたちも駆けつける。儀式の後半は今年集まったのはどこのだれべえで、誰々の何回忌にあたるということがつらつらと述べられる。ウチは岡崎の○○ということになっており、母の23回忌。母に関してはこの後27回忌があり、33回忌で一連の仏事が終わるらしい。父の場合、あと30年ちかくかかる。私が生きている間中、親の供養をやることになる。そういうものかもしれない。仏教の儀式はよくできている。(他の宗教の儀式は詳しく知らないが)
 お経のあとは、毎年趣向を凝らしたイベントがある。今年は金沢から孝藤流という舞踏一座が戸隠の「鬼女紅葉」伝説の踊りを舞った。舞踏の前に「場の清め」と称して、舞台とする本堂の中央部分の四隅にござを巻いた筒を立て、真剣でスパスパ切る儀式もあった。
 舞は見事だった。結構若手の男女3,4人が美しい衣装を身に着けて演じる。本格的な舞踏。舞台の上と下ではなく、踊るほうも見るほうもお寺の本堂の中。ま近で見ると迫力がある。法事に来て突然本格的な舞踏を見せられてしまっている観客に、グイと顔を突き出したりして、役者の方も却ってテレないかなと心配するほど。写真を撮ってみたが、携帯ではうまく撮れなかった。
雰囲気はこんな感じ。

 イベントの後は、全員で食事会。昔は和尚さんがあちこちの席で飲みながらいつまでも交流したものだが、最近は車で来るので飲めない。私も朝4時出発で来ている。舞踏家たちも残っているので、本来ならば色々と交流したいところだったが断念。いづれにしても、今どきこの山の中で人がこんな風に集まるなど、日本も捨てたものではないかもしれない。
 帰りに、従兄の勤める農協で売り上げ協力にガソリンを入れていると、変な外人に道をたずねられた。自転車のツーリングの格好で「キナサ(鬼無里)ハドッチデスカ?」久々に英語でスラスラと道を教えてやろうと思ったが、方角はわかっても教えるべき道を知らない。しゃくなので、逆に色々聞いてみたところ、彼のプロフィールは次のようなもの。
・元は東京で仕事をしていたイギリス人
・今は白馬に住んでいる
・山の景色にはまってしまて住み着いた
・イギリスでもカントリーボーイだった
・今は翻訳で暮らしている
・いつも自転車であちこち行ってこの辺りの自然を楽しんでいる
・今日は初めての道に迷ってしまって、ちょっと失敗
お互いに、英語と日本語が混ざりながら話している変な会話。
勤めをやめて、翻訳しながら好きな場所で暮らしている。しかもカッコイイ自転車を乗り回して健康そのもの。思わず「いいなあ」と言ってしまう。日本語教師をしながら、好きな場所で暮らしたいと思っている誰かの求めている姿に近いではないか。「オレ中国で同じように暮らしたいのさ」とそいつに言っても仕方が無いので言わない。
 だいたい、景色に関しては中国の景色にはまるほど、自然に近づいて見ていない。水墨画の世界は確かにあるし、敦煌あたりの砂漠もテレビ画面で見るぶんには雄大で異国情緒にあふれているが、そこで暮らしたいほどには見ていない。まずは行ってみないと。中国の山は大躍進運動のときに沢山木が切り倒されてしまったらしい。山間部で暮らすということに関しては、日本の山里の方がいいかもしれない。中国はむしろ伝統的な文化を残す街中がいいのかも知れない。が、まずはもっと知らなくては。