天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

昨日は3・11

 昨日の午後2時46分は、新宿の工学院大学孔子学院で呼吸法講座の授業を受けていた。大学の館内放送の知らせに従って、みんなで黙とうをした。気づかず過ごしてしまわないで、黙とうができてよかった。この学校の運営姿勢も見えるようで良かった。
 この授業に参加している、同大学の元先生の話によれば、5年前の地震のときは、先生は大学にいて帰宅できないのでここで一夜を明かしたとのことだが、新宿に集まった帰宅困難な人たちにロビーを開放して、大学の備蓄も配ったとか。




 5年前の当時は、自分はまだこの講座には来ておらず、ここの存在は知らなかった。お茶の水の眼医者さんから徒歩で、新宿駅を通過して当時まだ芦花公園にいた長男のマンションまで行った。あれから5年のうちに、長男も次男も引っ越しをして、孫が3人になっている。
 5年というのは、何かが変わる時間の経過だ。それが変われないでいる被災者の人たちの気持ちはいかばかりか。
 ところで、昨日はこの講座に出る前に日中友好会館というところで開催されている「中国リアリズムの煌めき」というのに行ってみた。昼に退社してから講座まで、ちょうどいい時間の活用で新宿から飯田橋まで往復した次第。もちろん興味もあってのこと。
 展示されていた作品数はさほど多くないので、空いた時間に立ち寄るにはちょうどよかった。
 一番上は、中国の陝北地方の少数民族の輿入れの様子を描いたもの。真ん中の赤い服を着た女性が花嫁だそうだ。こういう地方では、時の流れに翻弄されずに昔ながらの生活を続けてこられたのだろうか。それとも、いろいろあったがまた昔のような生活が戻ったのだろうか。
 次の彫刻群では、中国の女性の服装の近代以降の変遷が見える。一番手前が清朝時代だろう。足元を見ると纏足で小さな足をしている。三つめは八路軍の制服のような感じ。そしてチャイナドレス。中国女性は何といってもこれがいい。しかしこの種のドレスは意外と新しいもので、それ以前は日本の和服の原型でまさに呉服だった。
 その下は、にぎやかな絵の一部。どちらかというと現状肯定スタンスの作品が多い。政府肝いりのイベントに出るのだから、それはそうだろう。それと、中国の美術館にはよくある抗日画もない。日本に送ってくる絵だからそれはそうだ。見る方が落ち着いて見ていられる。
 のどかな日常が戻っていること、中国の自然が伸びやかで美しいこと、夢を持った世界があること、そして現代的な表現技法など。その中にもやはり中国的なものがうかがえてなかなかいい展覧会ではある。しばらくすると展示を入れ替えるらしいので、もう一度行ってみたい気がする。