天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

劳动节

 中国語ではメーデーのことを労働節という。労働者のお祭りであることからこのように呼ばれる。メーデーよいうのは元々 May Day なので、五月の日というほどの意味であり、季節の移り変わりを示す日だった。
 それが中国では労働節と呼ばれ、労働者の祭典となった。
 若い頃は、メーデーといえばデモ行進をする日だった。今でもそれは行われているようだが、以前に比べて相当に形式化してしまっている。行かないから、テレビのニュースにもほとんどならないくらいになってきていることから、そう感じる。私もまだ労働をしているので、今日は休ませてもらった。連休的読書週間と位置付けているので、連休2冊目の本を読に終えた。
 「2015年の中国」という本で、此本臣吾という人が執筆編集をしている。以前、先輩から譲り受けた本でしばらく寝かせてあったが、2012年となり、3年後の中国を予想するような本は、そろそろ熟成されて読み時が来ているだろうと読んでみた。なかなか参考になった。
 論旨の展開がいかにも野村総研的であるように感じた。今の職場で一緒に仕事をしているNRIの人たちの理屈の立て方も似ている。実務面では、周辺ばかり論じているようでイマイチな感じであるが、読み物としての本においては良く整理ができていて分かりやすい、というのが感想だ。
 内容は、色々な指数で現在の中国を表している。そして現在の中国はどのようなことになっているか、ということを近現代史的に分析している。即ち、改革開放から30年を経過した中国は、もはや先富論ではなく皆が協調して豊かになるような政策転換をしている。これが胡錦濤主席の打ち出した和諧社会を目指す政策だ。急激な経済成長よりも、沿岸部と内陸部の格差を徐々に縮めてゆこうというもの。実現状況は如何なものだろうか。内陸経済の支援策がいくつか打ち出されるので、一定程度の効果はでているはず。
 しかし中国の第12次5カ年計画は2015年まで続く。現在時点では、まだ評価をするには早いだろう。だがもう次世代の周近平氏の時代へと移る。以前の中国は人治国家であったが、今や法治国家たらんとして色々な制度を整えている。そうである以上、主席が交替したくらいで急激な変化はありえない。徐々に大国としての体裁と実質を実現してゆくことを期待するばかりだ。