天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「旧約聖書を知っていますか」阿刀田高著

 アフガニスタンの人々を理解するために、「コーランを知っていますか」を読んだ後に手に入れた本だ。阿刀田さんの話し言葉による明快な解説で旧約聖書のことも読みたくなったのだ。ましてコーランを奉じるイスラム教と旧約聖書ユダヤ教は、同じ神様を信じているというのだから、その背景をもう少し知りたかった。f:id:mm3493:20120828205521j:image:right

 それにしても、分かりやすい本だった。昔の聖書は旧約と新約がセットになったものを二種類もっているが、旧約聖書を通しで読んだことは無かった。昔、日曜日に教会へ行ったときに、その日その日で聖書の一定の場所を示しながら牧師だか宣教師だかの話を聞いていた。

 この本で解説されている原典の箇所を、同時並行して確認してゆくと本当は更に旧約聖書の理解が深まると思う。この本を買ったときはそういう読み方をしたいと思っていたが、どうもまだ時間にゆとりがない。いや気持ちにゆとりがないだけかもしれないが、こちらの解説書だけ読んでしまった。この間二度ほど本物の聖書を開いてみた。

 これを読むと次はやはりこの系列の宗教書である新約聖書だ。「新約聖書を知っていますか」と言う本を割と近い将来読むことになるが、旧約聖書の話そのものをこの入門書から更に進むには、犬養道子さんの「旧約聖書物語」を読まなくてはならない。このどちらかを手にする前に読むべき本もある。

 ところで、この本の解説は哲学者の木原武一氏が書いておられるが、この方は次に「古事記を知っていますか」というタイトルの本をリクエストされている。西洋文化の原典ばかりでなく、我が日本文化をどう解説されるのかを読みたかったのだろう。

 が、私としては「論語を知っていますか」とかもっとマイナーな「紅楼夢を知っていますか」というような、中国古典の解説をとても読んでみたい。なんとかならないだろうか阿刀田さん。