天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「菜の花の沖」

 今日は東北関東大地震が起きてから1週間が経った。1週間前の午後2時46分に地震は起きた。今日の時点で、死亡が確認されている人数が6500人を超えた。既に神戸の震災を上回る数字であるが、行方不明として届がされた数は12000を超える。最終的に犠牲者の数は2万人を超えるかもしれない。原子力発電所の人災がこの不安を数倍にしている。菅総理大臣が国民に対して、この苦難を力を合わせて乗り越えようとという演説をした。天皇陛下も昨日直接国民に対してお言葉を発している。
 世界が注目している。色々な意味で注目している。支援もしてくれている。急激な円高を防ぐための協力までしてくれているようだ。
 今日は、掲題のように地震以外のことを書こうと思ったが、やはり書き出しはこうなった。
 それで、掲題は司馬遼太郎氏の長編小説の題名。自分で読んでいる氏の長編では3つ目。「竜馬が行く」、「坂の上の雲」に次いで全6冊のこの本。3冊まで読んで、歴史書を読んでいるのか小説を読んでいるのか分からない錯覚に陥った。いつもながら時代背景についての丁寧な解説が入るので、長編小説は大抵こうなる。
 主人公は高田屋嘉兵衛という淡路島出身で、北前船で出世した人物であるが、その頃の歴史記述に学ぶところが多い。半分読んだところで、大いに学習したのは蝦夷に先住していたアイヌの人たちと、日本人との関係だ。アイヌも日本人であるが、その昔は言葉も異なることから松前藩によって差別政策がとられていた。
 アイヌの問題は、民族問題として同和問題の一種でもあるような漠然とした理解しかなかったが、これを読むと、この問題の根がよく分かる。ここに書かれていることがよく調べられた事実であるという前提でだが。アイヌの文化は本当に風前のともしびになっていると聞く。残念なことだ。そこへゆくと中国は大多数が漢民族であるが、55の民族が共存する国ということで、少数民族保護の政策が取られている。雲南省などの少数民族の文化が継承されるといいと思う。
 地球規模で見れば、他民族の共存が平和で安定した人間社会の維持のベースではないか。