天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

日本への応援歌

 この釈然としない日本に、愛想がつきかけているような感じの今日この頃であるが、海外の人でしきりに日本に応援歌を送ってくださる方もいる。「日はまた昇る」ビル・エモット著。
 この本は、ジョギングの途中でBOOKOFFで買い求めたものである。古書とは言っても2006年2月に出ており、そこから15年後を展望して(即ち今はその15年の経過中)書かれたものらしいので買う気になったのだ。著者のビル・エモット氏は英「エコノミスト」誌編集長で、15年前に「日はまた沈む」というタイトルの本を出している。3年ほど東京支局の仕事で日本に滞在したこともある、日本通である。ここで15年前とか後と言っているのは実際に文章が書かれた2005年を起点にしている。沈んだり、昇ったりする「日」は日本のこと。
 即ち、1990年頃日本がバブルで浮かれた状態のときに「日はまた沈む」という本で、浮かれてばかりいないで次に備える警告を発し、「日はまた昇る」では、元気のない日本に対し、冷静な第三者の目で見て、日本の優れた面を指摘し、そこを生かすのが、今後の世界、特にアジアでの主導的立場であり続けるために重要ではないか、との応援歌となっている。
 ありがたい本だ。本のタイトルからは分からなかったが、本の後半は日本のアジア、特に東アジアにおける位置関係について多く述べられている。特に中国との関係がその中心であることは当然。それによると、やはり中国は何かにつけ日本のしてきたことを参考にするし、日本の動向を無視できないということだ。
 なので、大きな時代の流れで中国と日本の関係を見ると、目下の抗日教育を不愉快に思ったり、中国食品には気をつけろという目で見るのではなく、互いのいい点を提供しあって、次世代の人たちにつなげてゆこうということに協力すべきだ。
 現在、日本的といわれている物は、かつて全て中国から来ている。物でいえば絹織物がそうで、今では日本でやらなくなったが、江戸時代以前はいくら日本で絹を作っても、中国製の品質には追いつかない時代があったのだ。
 ビル・エモット氏からは、第三者からみた日中関係というのを知ることができた。かつての先生であった中国に対するに、ここ100年くらいの間に世界に示した日本の優れた点をきっちり理解してもらいながら、協力体制を作ることが大切。今更ながらそう思う自分も、何かそういう活動に参加できないものかと毎日思いながら、今日も暮れ行く。