天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

14 張愛玲 池上貞子

 この本は、張愛玲という人の本を読もうと思ってアマゾンをチェックした時に、お安く買える2冊の本の一つだった。もう一冊の「ラスト、コーション、色・戒」の方はすぐに読んでいるが、こちらは張愛玲の作品ではなく、張愛玲の研究所的なものだった。
http://d.hatena.ne.jp/mm3493/20151015#1444917394
 なので、しばらく温存されることになったが、長期在庫にならないうちにと手にしてみたら面白かった。

 著者は張愛玲の研究家で、いろいろな機会に張愛玲の人と作品について書いたものをいくつも並べてるので、同様の内容がいろいろに書かれている。なので、ほとんど覚えてしまった。
 張愛玲は、上海生まれで李鴻章の孫娘にあたる血筋。日本が占領していたころの上海で作家デビューした形だが、新中国には合わずに香港経由アメリカに渡った。1995年にカリフォルニアで75歳で亡くなっている。少し早めのお亡くなりだが、健康に気遣う人でなかったことがたたっていると思われる。
 とにかくこれだけ解説を読むと、著作をもっと読みたくなる。が、アマゾンでは代表作「傾城の恋」などは8000円の値がついている。それくらい貴重本になっているのだろう。しかし、私の行く図書館の棚には並んでいたので、今度借りてみる。
 作品は面白かろうと思うが、この文学研究書というか作家研究書もなかなかだった。作家の評価の仕方は、つまるところ物の見方がどうかということにつながる。表面的な事実調査だけではないところがいい。そういわれるとやはり作品を読んでみようという気になる。
 しかも文章が美しいなどと言われると、原文の中国語でも読んでみるべきかと思う。一部は英語かもしれない。今の中国語講座もマンネリになっているので、張愛玲の本を読む会にならないものかと思う。少なくとも、先生は興味を持つだろう。時期が来たら、他の人が興味を示さなくても先生とサシでもやるといいかも。まずは日本語訳を少し読んで、原文研究をしたいかどうかだ。