天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

[映画] 今週の出来事とブータンの映画

 今週はよく出かけた。

月曜が二胡教室の後、本牧の孫の琳ちゃんに会いに行った。

火曜日が笛の教室に東中野へゆき、またポレポレ座で映画。

水曜は、一休みとして久々の岩盤浴。午後は近所の榛名神社まで花見散歩。花見と言っても山道の桜はもはやこんな感じ。

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神社のふもとの枝垂れ桜とつつじがきれいだった。

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木曜は御成門の慈恵医大まで行って先月の血液検査の結果を聞いてから、岩波ホールでまた映画。

 そして今日金曜は車の半年点検でディーラーへ。その足で、日中友好協会の知人が入院しているところへ見舞に行こうと考えていたが、ネットサイトで見まいが禁止とあったので、諦め、どこかに行こうと思っていたが、財布やカードを家に忘れたので車の点検終了で帰宅。点検代は先に払い込み済なので問題ない。

 今回の点検は、気になるところを確認してもらった。前回岡崎に行ったときに、夜の食事に行った駐車場から出るとき段差があるところを気づかず、車の底をごちんと打った。その後の高速道路も走ったし、走りに影響は無いし見た目も問題ないが念のため見てもらった。当たったところと、車体下部のプラ部分が少し擦れているのを写真で見せてくれた、大した問題でないことが分かって安心。

 

 昨日の検査結果は、だいたい想定通り。前立腺がんのマーカーであるPSA値は12.3まで上がった。前回の8.7からアップすることは覚悟のしていた。どれくらい上がるかが問題だったが、この程度では一度投薬をお断りしているので、医者から薬を再度薦められることはなく、3か月後にCTスキャンと骨浸値の検査をしようということになった。

 検査結果を聞いてから、予定通り神田乗り換え駅で途中下車して岩波ホールへ。チケットを確保してからランチ。前回はロシア料理だったが、今回は久々に蘭州ラーメンを食べた。このパクチーと辛い香辛料が何とも言えない。アジアな感じが好き。

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 映画はかねてチェックしていたこの映画を見た。

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 いい映画だった。ブータンと言えば、世界一幸福な国とされているが、その実、どう幸福なのかが分かるような気がする映画ともいえる。主人公は、小学校の教師。

 学校を出て教師になったものの、やる気のない教師で4年間ちんたらしていたので、5年目にブータンでも一番僻地といわれるところに赴任させられた。先生の学校を出た以上5年は勤めるのが義務らしい。若者はそのあとは海外に出る算段をしていた。

 5年目に赴任にしたところがどれくらい僻地かというと、バスが通っている街から徒歩で数日。1日目は途中にある民家に泊めてもらうが、あとは野宿。一人で行けるところではない。村から二人の若者がバスの着く町まで迎えに来ていた。

 山の上のルナナという部落は、上のチラシにもあるように標高4800メートル。富士山より高いところに住んでいる。仕事はヤクを飼って、冬虫夏草を採るくらいという。

 学校の建物はあるが、先生のなり手がなかなかいない。村民が総勢で56人。みんな揃って先生の到着を出迎える。若者はとんでもないところに来た、という気持ちを隠さず、出迎えた村長に自分はここでやってゆく自信がない、すぐにでも戻りたいと話す。

 村長は無理強いはしない。送ってゆく準備が出来たら声をかけるという。しかし子供たちはそんないきさつは知らない。写真の可愛い女の子は、学級委員ということで、翌日疲れて寝坊している先生をおこしに来た。若者は、仕方なく前任者が残していったというトランクに入った教材で、教え始める。ノートも黒板も無い。村の若者に黒板を作ってもらい、ノートの代わりに村の人たちが先生の部屋の窓に貼ってくれた「伝統紙」というものをはがして子供たちに分けてやる。伝統紙と言っているが、おそらく日本の和紙のようなものでザラザラしている。無いよりはまし。

 若者はけなげな子供たちを見ていて、冬が来るまでしばらくここにいることにした。子供たちも部屋が寒くなるのをかまわず窓の紙をノートとしてくれた先生を好きになる。彼を引き留めたのは、そんな子供たちの他に、村で一番歌がうまいという娘がいた。いつも山に向かって歌う娘にどうして歌を唄うのか尋ねると「山々に捧げている」のだという答えが返ってきた。もともと歌が好きだった若者は、娘の歌う、その土地に伝わる歌を教えてもらう。

 山々の景色は美しい。その山懐でヤクと暮らす。ヤクの糞は乾くといい燃料になる。ヤクの乳からはチーズを作って食べる。村が飢えてどうしようもないときは、ヤクを1頭屠って皆で分けることもあるだろう。

 先日手塚治虫の「ブッダ」の漫画のとおり、地球上でには人間だけが住んでいるのではない、皆が共存しているということがブータンの山奥では実感される。

 子供たちは、学校の先生を尊敬している。先生は未来につながっている、というのがその理由だ。どうやら村長の教えらしい。この村以外の世界を教えてくれる存在だ。

 雪が降りだす前に、先生はみなに別れを告げる。

 エンディングの場面は、先生だった若者がかねてのもくろみ通り外国(オーストラリア)のバーで歌を唄っている。白人たちの好むポップスを歌っていたが、突然歌うのを辞める。客たちが怪訝な様子をしていると、若者はブータンの山奥で教わった歌を唄いだした。そこで映画は終わるが、若者が皆の待つ山に帰ってゆくだろうと思わせる。