天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

グレタの願い 

 地球温暖化に問題意識を持って行動しているスウェーデンのグレタさん。有名人になった。どんな人か、ヴァレンティナ・キャメリニという人が書いた本が出たので読んでみた。

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 グレタさんはアスペルガー症候群という属性をもつらしい。一つのことに拘ることと対人恐怖症的な性格というのがその特徴。

 彼女が地球温暖化について問題意識を持ったのは、今に始まったことではない。色々調べて、大人たちがやるべきことをやらずに放置しているのが許せない。思い余って行動に出た。

 子供でも行動すれば何か実現できると思ったのは、アメリカで銃被害をなくす運動を高校生たちが行っていたことを知ったからだとか。アメリカの出来事を知ることができるのは現代に生きる若者だからこそ。

 彼女の行動の始まりは、一人で国会前に看板をもって出かけたことから始まる。

 最初はだれも気にしなかったが、次第に賛同者が集まり始める。そして、COP24などの世界の環境を論議する場に招かれる。人前で話すことなど考えられない少女だったのに、この環境問題、地球温暖化の問題となると随分調べた蓄積があり、言うべき主張もはっきりしているので、どこでも誰にでも臆することなく語る。

 一種の発達障害を持ちながら、世界の環境問題のオピニオンリーダー的な存在になった。素敵なことと称賛するだけでは、彼女は不本意。その主張に耳を傾けて、大人は行動しなくてはならない。そうでないと彼女のアピールの意味がない。

 政治家は無論だが、我々も日々の生活でそのことを実現してゆくべき、とこの本は言う。即ち、地球温暖化の原因である温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を減らす、そういう努力を我々もすべきとして次のことが挙げられている。

1.できるだけ車の使用を避ける。地球にやさしい移動方法は、歩くことだができるだけ公共交通を使い、化石燃料の使用を全体で抑える。

 グレタさんは、国際会議などに招かれても、海を越える場所でなければ飛行機に乗らない。ヨーロッパの中は列車で移動する。時には父親の運転する電気自動車で、充電しながら何日もかけて移動するそう。

2.もし車を使うなら、できるだけ相乗りをする。

3.部屋を出るときは必ず照明のスイッチを切る。

4.湯を沸かすことは(燃料を燃やすので)環境汚染につながる。ので本当に必要な時だけにして、沸かしたお湯は無駄にしないで使う。

5.風呂に入るときは、浴槽に湯をためずできるだけシャワーにする。

6.商品の包装紙や箱は、環境を汚染するばかりか、それを作るときにエネルギーを使う。過重包装のない商品にする。

7.野菜や果物は、旬のものを選ぶ。季節外れのものは、遠くの国から船や飛行機で運ばれてくる。

8.何か新しいものを買うまえに、本当に必要かどうかよく考え、買ったものは大切に長く使う。

9.冬に部屋を暖めすぎないように注意する。部屋の温度設定を1,2度下げて室内でも服装で防寒する。

10.夏は冷房温度に気を配り、必要以上に下げることをしない。

11.自分の使っている電気は、燃料を燃やして二酸化炭素を大気中に排出していることを忘れないようにし、できるだけ少ない電力で済ますようにする。

 以上ですが、どうだろうか。空調に関してはオフィスではもう省エネ対策が浸透してきている。家庭でも意識しようというもの。お風呂をシャワーに、というのは日本人の習慣には厳しいが、たまにはそういうことをしてもいいのでは。風を引かない程度で。

 レジ袋をなくすことも始まっているが、旬のものを食べるというのは通常健康のために言われるが、なるほどこういうこともあるのだ。バナナなどは安くなったとはいえ、南国の、しかも商品作物として生産されているので、輸送は必至。

 経済活動が落ち込むことになるが、そもそも経済優先の施策というのが地球温暖化の元であったことを知るべき。経済成長が無くても幸せに暮らせる、というのが自分の持論でもある。価値観の問題、ということもあるが、グレタさんのこの主張はそういうのではなく、そうしないと地球がダメになる、という危機感にある。

  グレタさんがここまで活動できる背景には、両親の理解と協力ということがある。

 スウェーデンという北欧の人たちのセンスは見習うべきものが沢山あると思う。