これはここに時々書いている、One Love Projectのことを書いている本だ。真美さんの話。今までのこのプロジェクトとのおつきあいで、おおむねのことは知っているが、こうして本としてまとめて流れや出来事を読むと改めてこの活動を大したもんだと思う。また、ルワンダに代表されるアフリカの内陸の人たちの生活がよく見えてくる。生きるのに必死ということ。
ルワンダの内戦、大量虐殺は古い話ではない。この本の語り口がやさしいものの、臨場感が伝わってくる。厳しく書かれたらかわいそうで読めないかと思うほど、出来事はすさまじい。その結果足をなくして働けなくなった人たちの義足を無償で作るという活動を、この真美さんはしている。
縁あって渡ったアフリカで、今の夫ガテラと知りあい、一緒にこういうことをしようと5年もの間、日本で義肢装具士に弟子入りをしてた。
相手はアフリカで、被災して仕事に困る人たち。自分が中国に初めて行ったころ、生活感覚や仕事観の違いに戸惑ったことの何十倍もがっくり来たりしたことがあるだろう。それでも20年続けてきた。もうこの先は戻ることはなく、この道を歩み続けることだろう。やっと最近、日本でも活動が認められるようになり、募金集めもやりやすくなったろうか。直近の機関紙にも、講演会の場を提供してくださいとあった。
ペシャワール会に比べると、まだまだ知名度が低い。今度八王子で講演会をやってもらう機会が作れたらいい。
最後に、この本の中の言葉から;
平和な生活にひたっていると、「生きる」という実感がわきにくくなります。被災した人たちはきっと今も「生きることの困難」と、「生きることの幸せ」を誰よりも感じているに違いないと、真美さんは言います。
ルワンダの人たちは、日本の3・11の被害をとても心配してくれていたそうです。