天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

凛としたアジア 伊藤千尋

 今年の2月に出版された本。著者の伊藤さんがご自分でネットで紹介されていたので、申し込んで送ってもらった。

 著者の伊藤千尋さんとは、「コスタリカの奇跡」という映画を紹介する講演を聞きに行ったのがきっかけでフォローさせてもらっている。

f:id:mm3493:20190324212229j:plain

 この本は、韓国、ベトナム、フィリピン、スリランカについて書かれたものだ。それぞれの国に、難度か出かけて行った経験や、新聞記者時代にいたことのある韓国など、実体験がもとになっている。

 一言でいうと、情けない日本の現状をどうしたらいいか、近隣のアジアの国々の事例を紹介しながら、我々にどうするべきかを問いかけてくる本。あとがきで、ご自身がそういうことをはっきり書かれている。

 たまたま今日の東京新聞のコラムに「引き際」として書かれている山口二郎氏の言に通じる点もある。山口氏の話は、日本は経済成長が終わった国であることの認識が政府ないし国民にもできていない。政府の政策は、嘘と誤魔化しで成長を続ける国のように見せかけて、おかがでそのひずみが国民の生活に来ている。ひどい社会になったもんだ。

 ではどうする、ということについて、かつて迷惑をかけたアジアの国々のあり方を見ると、日本よりずっとまともな人たちがいるではないか。ということが分かるのがこの本。

 かつて日本が支配下に置いたことのある韓国・朝鮮。ベトナム戦争を経験して、独立を勝ち取ったベトナム原発と米軍基地を排除したフィリピン。そしてスリランカは何だというと、かつて敗戦国日本の処遇を決めるサンフランシスコ講和会議で、日本から賠償金をとるのがこの会議のあつまりではないと主張してくれた。そういう国自身、長くヨーロッパの国の占領下から、無血で独立を果たしている。

 今の日本が学ぶべきことがたくさんある。それは、頭の悪い、心の曇った政権担当者やそれにすり寄る官僚、自分たちの利益優先の企業経営者には通じない。

 かろうじて民主主義を保っている国の国民自身がどうするのか、ということを問うている。

 日本の国民は、従順で政府の言うことには逆らわない。親方日の丸で、日の丸を担いでいたほうが自分の特になる、などと考える人間が未だに多い。もしくは、というかその原因は視野が狭すぎるということもある。日本人の視野が狭いのは、マスコミ報道が政府に都合の悪いことを国民に知らせてないということもある。

 自分の知人にもそういうのが多くてがっかりする。そこをどうするか。

 伊藤千尋さんの著作に「15%が社会を変える9条を活かす日本」というのもある。

 15%の人が目覚めたら、この現状が変わるのだろうか。ちょっとこれも読んでみる必要があるかも。