能面の展示会というものに初めて行った。孫リンのウチではないもう一人のおばあちゃんの趣味。というか新しい習い事を去年始めた話を聞いていたのが面作り。その第一作目ができて、展示会に出品されたというわけ。
それがこれ。中将という能面で、男性の顔。入門者が作る一番易しいものだそうだ。
場所は、横浜馬車道アートギャラリー。
面づくりという珍しい趣味なので、さほど数はないのだろうと思っていたが、行って見て驚いた。先生以下45人の方々が、100近い数の作品を展示されている。
そういえば和装組曲さんが面を作られていた。高尚な趣味だなと思っていたが、身近に同じことをされている人がいた。しかもお仲間が結構いらっしゃる。
展示会場の様子はこんな感じ。
面の種類もいろいろ。老若男女に狐や狸。めずらではこんな面も。
お釈迦さまだ。なんか仏師の域に達しているようにも見える。
これらはすべて正目の檜でできているそうで、制作工程を示すものも展示されていた。
左端の木の塊が順に右側のようになってゆくのだそう。
この展示会の正式名称は、「第三十八回 面友会 能面展」。38回もやっているのだそうで、会長すなわち師匠の渡辺松霜さんは二代目だそう。
いろいろな面があるのは、能面だったり狂言面だったり、お神楽用とか、用途がいろいろあり、それぞれ作風が異なる。
中将の作者のお話を聞くと、面作りをしていると、そこに気持ちが集中する為か、精神状態がとてもよくなるとか。自分が二胡の練習をしているときに、ただうまく弾けるようにと集中して、他のことは何も考えないのと同じようだな。と思う。
ゴルフのパターに集中して、はずしてしまって心臓に悪いのと大違い。こういう趣味はいい。精神状態が良いということは、体に良い。時間的にも費用的にもゆとりのある人の趣味だろうという話だが、中には若い人もいるそう。
二胡の場合、若い人が結構いると思う。体で覚えるテクニックという面があるので、若いほうが当然有利。我々年寄りでも、楽しめ、努力次第で上達もする。というところが面白い。
能面作りも、一つ仕上げて次にと、いろいろ作るのが楽しいのだろうな。とそのうち、実際に能の舞に使われることでもあればうれしいだろうな。